和食だし作りの考え方とは?
だしをひいた事はありますか?
そしてだしのとり方って知ってますか?
大手の安いのが目玉のチェーン店での厨房ではいちいちだしをとったりしません。ですので飲食業の人はあんまりだしの取り方って理解していないんです。
だしというと鰹昆布だしから鶏だし牛だし野菜だしなどたくさんの種類があります。
ここで言うのは和食だしなので鰹を含む魚介だしや昆布だしについて説明します。
鰹とは?昆布とは?と言う説明はググるとたくさんあるので割愛します。
今回お届けしたいのは具体的にどうやって簡単にだしをとるのか?について私なりの経験を元に説明します。
①丸のものは水出しからはじめ沸騰してから中弱火で20分。
丸のものというのは昆布や煮干しを始め頭の付いた魚の煮干しです。片口鰯の煮干、サバ煮干、あご煮干、宗田鰹煮干などのことです。
また煮干は煮て干した乾物ですが、○○節のように煮て燻製して干した宗田節とかサバ節とかもあります。燻製の香りがしたガツンとした魚介だしがとれます。
上品にだしをとりたいなら濁らせないように弱火で短時間です。逆にガツンとだしをとりたいなら強火で長時間煮ます。
目安としては前の晩に水に浸けておいて翌朝火を付けて沸騰したら中火で20分です。それ以上するとだしが濁りやすくなりえぐ味もでます。逆にそれ以下だとだしが薄いかもしれません。
らーめん屋みたいに動物だしと合わせるお店は煮干袋に入れて3時間ほど入れぱなしにする事もあります。その場合ははらわたは取り除きましょう。頭からも出汁が出るので私は捨てません。
もちろん種類や時期によりますけどね。
昆布はもちろん水出しを最低30分長くて半日します。沸騰してから中火で20分ほど煮出した方がよくだしがでます。
本格和食屋さんは60℃になったら取り出してと、よくありますが私はそんなもったいないことはしないです。
20分はがんがんだしを抜き取りますよ。
②厚削りは最低30分
鰹や宗田鰹や鯖の厚削りが有名です。主に蕎麦屋の出汁に使われる事が多いです。枯節か荒節の種類があります。
こちらも沸騰してから中火で30〜40分煮出した方がよく出汁がでます。寸胴のなかで節が少し泳いでいるくらいの火加減がいいでしょう。寸胴の蓋をするかしないかで蒸発率は変わります。私は蓋をする派です。圧力状態にして削りを回してだしを抜き取るイメージです。
だしを濁らせたくないなら強火は避けて蓋をしない方がいいです。
もちろん生産者の違いや時期や種類、鍋の大きさなどによって全く変わってきますので試作を繰り返してあなた好みのだしにするのです。
③中薄削りは15分
宗田鰹やうるめイワシやアジなどの削りが多く、厚削りでもなく薄削りでもない中薄削りというものがあります。こちらは簡単にいいだしがでるので重宝します。関西のうどん屋に多く見られます。中火位で15〜20分煮出すとだしが出きります。あんまり長時間煮出すとえぐみが出るので注意です。
④薄削りは5分
花かつおと言われる薄く削ったものです。鰹から鯛まで色々あります。和食屋さんでは鯛薄削りでお吸い物を作る事が多いです。
薄削りにも血合いありなしといろいろ種類がありますが、私は沸騰したら弱火で5分は煮出します。
もちろんメーカーや種類などにもよりますが、教科書どおりに再沸騰したら火を止めて濾すというやり方だとだしが残っているのでもったいないです。
二番だしとして使わないのであれば1回目でだしを全て抜き取る方が経済的です。
私はだしが濃い方が好みなのです。
⑤粉砕は8分
粉砕とはグダグダに粉砕した形状のものです。こちらは非常に使いやすいので私はいちばん重宝しています。
その理由はまず場所をとらないこと。そして早くだしがとれることです。
私は沸騰したなかに粉砕を投入して蓋をして8分ぐつぐつと煮出します。寸胴の中で粉砕が踊っているのが理想です。沸騰によって粉砕が踊っているのは湯の中にだしが抜き出ているということです。短時間でだしがとれるので私好みです。
○まとめ
形状によって煮出し時間が変わることを理解して頂けたと思います。
あとはどれだけ入れたらいいの?ということですが私のおすすめは5%です。教科書には3%と書いていますが、私のオススメのだしの投入量は5%です。
つまり出来上がり10Lに対し5%のだしということは500gです。(10000×0.05=500)けっこう多いですがしっかりとだしがでます。余計な化学調味料などは入れなくても味醂と醤油でしっかりと出汁がとれます。
補足として出来上がり10L欲しい場合はスタートの水を11〜12Lにした方がいいです。煮出し時間にもよりますが多めに水をはります。
なるべく避けたいのはだしを引いたら9Lしか取れなかったので1L水を足すという行為です。私の経験では不味くなります。
ですので自店の寸胴で何回か試してみてスタートの水量を決めていきましょう。
出汁が濃いとお客さんも出汁がきいて美味い!と喜んでくれるはずです。美味しいだしでコスパの良い売価で提供することができると、きっと繁盛店になることでしょう。