うどん屋店長の日報

飲食業専門ブログ/時々雑記(^^)

らーめん作成の思考法について

実はうちの会社はうどん屋だけでなくらーめん屋も経営しています。そのらーめん屋がなかなかの繁盛ぶりでその昔は1000万を月に売上たこともあります。

私はらーめん屋の店長もずっと兼任してまして、らーめんについても深く勉強しています。(まだまだ若輩者ですが…)

ですのでらーめんについての基本は理解しているつもりです。

今回は基本について書きつつ、らーめん作成の考え方について伝えたいと思います。

基本と考え方を理解して、それにあなたのオリジナリティを加えるときっと面白いらーめんができると思います。

 

1)らーめん作りの基本

まず基本の分量について説明します。

ざっくりの基本は、

タレ30cc
スープ300cc
香味油30cc
麺200g
がだいたいの基本になります。

らーめんはこの基本とトッピングでできています。まずはこの基本を固めることが大事です。

 

2)タレの基本

タレはお店の味の方向性を決める上で大切です。

塩分濃度は10%目安ですがあくまで目安です。

醤油ダレなら醤油に調味料をいろいろ加えます。

チャーシューを漬け込んだり、香味野菜や、削り節を入れることもあります。

つまり旨味をたくさん加えて塩分調整をする訳です。スープと相性の良いタレを作ることは大変難しいです。

私は初めは既製品のタレにオリジナリティーを加えて作ることをおすすめしています。

そのうちタレの理論が理解できたら色々自作で挑戦したらいいと思います。

 

3)スープの基本

水に対してどれだけの肉や魚や野菜をいれるべきか?という議題です。

まず動物系スープですが水に対して50%入れると割と入れた方で濃厚スープになります。

つまり100kgの水に50kgのゲンコツや豚ガラや鶏ガラを入れるということです。30〜40%でも良いかもしれません。あとはガラによりますし煮詰め方の火加減によるということです。

要するに骨の髄液や骨周りの肉を長時間煮詰める訳ですから、あまりにも少ないと良いだしが出ないです。

私のおすすめは40%の動物系だしと10%の魚介だしを投入するスープです。これはけっこう濃厚です。魚介だしは3〜5%がよくあるレシピですので10%だと濃厚で美味しいです。

 

4)香味油の基本

らーめんには特有の油をスープに浮かべる習慣があります。香味油と呼ばれるものでオーソドックスなものに鶏油やラードや豚背脂があります。

 

ラードやサラダ油にニンニクや生姜やネギを弱火で煮出した香り良い油もあります。

お店の個性としてどんな香味油を作るのかはシェフの腕どころです。

 

またスープに油を浮かべることによってスープが冷めにくいという効能があります。

基本はスープの1割ほど入れますがもっと多く入れるお店もあります。

 

5)麺の基本

多加水麺から少加水麺まで色々とありますが、

加水率35%を中心としてそれより高いか低いかです。

私のお店の麺は太麺の多加水麺で加水率50%もあります。なので茹で時間も7分と長くモチモチとした食感の麺です。

多加水麺はスープをすぐに吸わないのでのびにくいのも特徴です。

なのでどろっとしたスープや背脂らーめん、つけ麺によく使用されます。太麺なので麺の量が多くなります。

 

麺が細いほど量目が少なく太いほど多い傾向にあります。一回に口に入れる(すする)量と咀嚼回数によって量目が決まると言ってもいいと思います。

生麺の状態で細麺なら150g、太麺なら200gは欲しいところです。茹でると1.8倍の重さになります。150×1.8=270gということです。

一番良いので使いたい麺を茹でる前と後で重量を測ることです。

博多ラーメンは細麺で有名です。大体100gですから替え玉をして満足というシナリオです。

成人男性で100gは少ないですよね。女性や子供は良いかもしれませんけどね。

 

ただ、現代は炭水化物を少なくする傾向があります。麺の量を少なめにしてその分トッピングに工夫をするやり方が流行っています。

太く切ったトロトロのチャーシューや極太メンマや穂先メンマ。岩のりや大きな一枚のりを使用するお店も多くなってきました。

また野菜をタンメンみたいに入れたり、白髪ネギをたくさん盛ったり、台湾まぜそばのように見た目にも工夫をしたらーめんも人気です。

 

トッピングは定番のチャーシューやメンマネギだけでなく、バラエティにあふれていますのでシェフの腕ところですね。

 

○まとめ

らーめん作りの基本の考え方が分かっているとそこの枠に自分のアイデアをあてはめることによって簡単に完成させることができます。

しかしそれが売れるらーめんとは限りません。

お店の立地やターゲット層をきちんと分析して、この地域でまだ見たこともないけど求められる商品を作り出すことが繁盛店にするポイントです。

 

奇をてらったらーめんを作ってお客さんからドン引きされることもよくありますし、ど定番のらーめんを作ってわざわざ食べに行くほどでもないよね。とスルーされる場合もあります。

 

ラーメン屋は行列を作りやすい業態です。行列を作るためにあえて席数を少なくしたりするお店もあります。しかし売上を上げるためには席数を増やして回転率を上げることが先決です。

麺を茹でる時間が長いほど回転率は下がります。細麺だと茹で時間は早いですが替え玉をすると長くなります。

 

最近では濃縮スープを使うお店が増えてきました。だしで割るだけで完成ですがそれだと味気ないですよね。

私はお店の人が一生懸命に試行錯誤して仕上げたらーめんの方が、既製品よりも価値があると考えています。

 

ただ大手回転寿司のご当地らーめんは袋麺ですけど美味しくて安くて量もハーフで丁度いいので、仕上げに頼んでしまいます。美味しいですよね。

というように回転寿司でらーめんとは、ひと昔前では考えられなかったことですが、結構出るそうです。

まだ誰も気づいてないけどきっとあれば求められるやみつきになるらーめん、そんならーめんを作りたいですね。