飲食業における栄養士の考え方とは?
私は栄養士資格を保有しています。
東京都の2年制の栄養士専門学校を卒業して取得しました。ですので今回は栄養士として視点で飲食業を語っていきたいと思います。
飲食業で栄養学はどのようにビジネスになるのか?についてです。
1)栄養士の仕事とは
栄養士の仕事は言わずとも知れた栄養の摂れた食事を作る人なんですが、主に給食と病院に需要があります。給食は保育園〜小中高学校〜社員食堂〜高齢者施設まで幅広く集団給食として存在します。栄養のとれた献立を調理師と作ることが給食の仕事です。
一方病院の栄養士は病院給食を作ることと、患者さんに栄養指導する仕事があります。
栄養指導は高血圧食や腎臓食、肝臓食などを指導する専門的な知識が必要ですので主に栄養士より格上の管理栄養士の資格を持つ人が携わっています。
管理栄養士は栄養士資格を持つ人が管理栄養士試験に合格したら取得できます。なかなか難しい試験です。
2)飲食業における栄養士資格の使い方とは
結論からいうと飲食業には栄養士は必要ありません。飲食業は営利企業ですから売上を上げて利益を作らないといけません。栄養計算のとれた献立が利益を作る食事だったら良いのですが、飲食業で成功するためにはぶれないコンセプトで美味しい目玉料理を売り続けるということです。
例えば唐揚げ専門居酒屋でしたら、美味しい唐揚げとお酒を提供するにつきます。
油ものとお酒は栄養的にはNGです。1日に摂取できる揚げ物とアルコール量は決まっています。
さらに飲食業は「もう一杯いかがですか?」と売上を上げるためにオススメします。栄養士はお酒のおすすめなんてしません。1日のアルコール摂取量は決まっているからです。
ちなみに中瓶ビールなら1本、日本酒1合まで。と決まっています。
飲食業は営利企業ですからお客さんが酔い潰れるまで飲ませないと利益を生みません。
栄養士の仕事は真逆と言っていいでしょう
昨今はタニタ食堂が流行りましたが現在は聞きません。やはり外食は身体に悪いものをたくさん食べて満足するという方式だと思います。人間たまにはそんな食事をしたいですよね。
そのための飲食業ですから、らーめんなんて栄養的には完全にアウトですから。油と塩分が過剰すぎますので。
3)カロリー計算
しかし飲食業でも栄養士資格が役に立つことがあります。それはカロリー計算です。
とは言っても健康志向の昨今メニューのカロリーが書いてあると女性客が選択するときに参考になります。ダイエットを気にする方は低カロリーを選ぶでしょう。
カロリー計算のポイントは1グラムで何kcalあるかを覚えることです。油9kcal、たんぱく質と炭水化物は4kcalです。油は2倍以上のカロリーがある事を覚えておくと良いでしょう。
栄養成分表示は食材のバーコードの所に書いてあります。書いていない場合は成分表本を見るか、カロリー本にも書いてありますし、今はネット検索で見ることもできます。
自分が作る料理は何カロリーあるのか?を知ることは勉強になりますし大体この位だな、と理解していればお客さんにもオススメしやすくなります。
○まとめ
たんぱく質…肉類
炭水化物…ライス、パン、麺、砂糖、芋系
脂質…油、ベーコン、バラ肉
ビタミン…野菜系
ミネラル…海藻系
という5大栄養素を覚えておくことです。
これらが献立に含まれていると良い献立になります。
ですので、例えば居酒屋の定番の唐揚げを提供するときも、お皿に唐揚げをゴロゴロと盛り付けるのではなく、コールスローとトマトと一緒に盛り付けたりすると見栄えもキレイですし、お客さんの満足度も上がります。一皿に食材がいくつも盛り付けてあるとワクワクするものです。
野菜不足が気になる現代人です。きっと差別化になるでしょう。
このように栄養学の知識があると調理をする上での目線が変わります。ラーメン屋であっても大衆居酒屋であっても、お客さんに栄養をたくさん摂って帰ってもらいたいという気持ちがあれば使う食材も変わってきます。
そんなお客さんを想う気持ちがきっと常連客を作ることになって繁盛店になるのだと思います。