飲食業のお客さんとの付き合い方とは?
店長になってから20年。お客さんとの接し方について伝えます。あなたが良いと思っていた接客はほんとに良いサービスなのでしょうか。私の考えるお客さんにやってはいけない接客を3つあげて説明します。
1)お客さんに媚を売ってはいけない
お客さんに売るのはお料理とドリンクのみにしましょう。決して媚を売ってはいけません。媚びへつらうという言葉があります。よく思われようと、相手の気に入ることをしたり言ったりして自分を低い立場にしてご機嫌を取ることです。
そんなことをしているとお客さんに舐められます。わがままモンスター客を作ることになります。
我々飲食業は美味しいお料理とドリンクを提供してその対価としてお金を頂いています。もちろん気持ちよくお食事して頂くこと。リピーターを増やすために感じよくもしますし愛想も振りまきます。
それと媚びへつらうことは違います。お客さんとは常に対等ですからきちんと対話をして感じよく接客していればいいのです。媚びを売らないとお客さんが来ないようなお店は長続きしません。
お客さんとは常に対等で毅然とした対応で感じよく接するのみで大丈夫です。
あとのエネルギーは美味しい料理とドリンクに集中しましょう。
2)お客さんをえこひいきしてはいけない
よくお店に身内が食べに来ることがあります。家族や友達など。彼らに特別サービスしてはいけません。
もししたい場合はほかの一般のお客さんにもおなじサービスをしましょう。
なぜなら、友達がきて特別に一品サービスするとします。それを一般客が見ていると決していい気はしません。えこひいきして嫌な感じだなと感じる人が多いと思います。
誕生日など特別な日のサービスでも周りの一般客にもおなじよう振る舞いましょう。
それがお客さんを平等にあつかうということで
お店のファンを増やすことになります。
3)お客さんのワガママを許してはいけない
お客さんからの特別な注文があります。その線引きをどこまでするのかを明確にしておかないと、どんどんお客さんはわがままになっていき収集がつかなくなります。
例えばらーめん屋で「ネギをぬいてください」は快く受けるとして、「スープ多めにしてください」はどううするのか?スープ増量分のお金を頂くのか?
居酒屋の場合「生ビール泡少なめでお願いします」はどうするのか?
私が店長のお店はスープ多めは100円頂戴するとことを壁に記載しておきます。生ビール泡少なめはお断りします。
できることとできないことを明確にしてルール化にしておくことが大切です。お断りしてお怒りのお客さんはもう店に来なくていいと考えます。
店長が安易にサービスすると周りのスタッフもそれに合わせなければなりません。
無料でなんでもするとお客さんから思われないようにしましょう。
○まとめ
お客さんがあなたのお店に来店してくれる理由は、お店の料理やドリンク、サービスや空間や立地などのどれかが気に入ったからです。もしくは店長のファンだから、スタッフのファンだからという人もいるでしょう。
それはそれで嬉しいことですが決して他の一般客よりえこひいきしたり、わがままを許したりしてはいけません。
あくまでお客さんとは一歩引いて付き合うこと。物事をなあなあにしないことです。線引きをすることです。
よく常連ばかりの個人店は入りにくいなぁという声を聞きます。そんなお店は売上が上がらないのでゆくゆくは潰れてしまいます。常連さんがボトルを入れて安く飲まれて椅子を占領されると新規客が寄り付かないし定着しないからです。
お客さんは働く従業員につけるのではなくお店につけないといけません。
とはいえ、サービススタッフの見た目がイケメンやかわいい女性だとお客さんは喜びますが、そのスタッフが辞めてしまうとそのお客さんは来なくなります。
見た目よりも一生懸命さや感じの良さを大事にしましょう。
お店のコンセプトによりサービスは異なります。駅前の立ち食い蕎麦屋でしたら早い、美味い、安いの三拍子がまずできていないとお客さんは来ません。丁寧なサービスなど求めていないのです。
一方おしゃれなレストランですと料理説明をしながらお取り分けしたりと丁寧なサービスを求められます。お店のコンセプトによって異なるのです。
あなたの任されているお店はどんなコンセプトでターゲット客はどんな客なのかを明確にしてスタッフに教育していかなければいけません。
それが店長の大事な仕事の一つです。