飲食業のクレーム処理方法は?
飲食業20年の店長が効果的なクレーム対処法をお伝えします。あくまで私のやり方ですから合う合わないはあると思います。参考程度に読んでくださいね。
クレーム内容は様々です。今回は下記5点について説明します。
1.提供が遅いときのクレーム
忙しくて提供が遅くなった場合と忘れてて遅くなった場合があります。
どちらとも平謝りですが、忘れていた場合はもっと怒られます。大事な事は言い訳しないこと。お客さんのガスが抜けるまでは平謝り。
その後にサービスでお詫びの1品を提供しましょう。ビールが遅かったらちょっとお高めのソーセージ。メインディッシュが遅ければデザートを豪華に。そもそも提供時間が遅くなる料理の場合はお客さんに説明しながらテーブルに珍味や枝豆などをサービスしておくとクレームにならないです。
クレーム頂いてお互い不快になる前に手を打っておくことです。この際の原価は惜しまず使いましょう。
2.こぼした
汁ものをお客さんの衣類に店員がこぼしてしまうことはよくあります。
こぼす規模は大小ありますが基本的にはクリーニング代で勘弁して頂くしかないです。
こぼした時はすぐに平謝り店長からも平謝り。
その後店長からクリーニング代をお支払いしますのでレシートか領収書をお持ち頂いてもよろしいでしょうか。もしくは郵送でも構わないです。お支払いいたします。
とお伝えします。支払い方はお客さんの口座振込でも現金でもなんでもいいと思います。
汚れがひどくて弁償して欲しいというクレームの場合はその衣類の値段をお聞きしておきます。そして飲食店が加入する店舗保険会社(火災保険)に連絡して相談します。
大体の場合は全額現金で弁償できます。もし保険に加入していなかった場合は会社に相談して指示を仰ぎます。
自営の場合は腹を決めて支払うしかないと思います。全額支払うのか減価償却含めて半額支払うのかはお客さんとじっくり交渉してはいかがでしょうか。
3.異物購入
髪の毛、金タワシ、輪ゴム、虫、この辺りが代表格でしょうか。
まずは言い訳しないで平謝り。すぐに作り直す場合はきちんとお代を頂きましょう。
もう帰る!とお怒りの場合はお代は頂けません。帰って頂けただけでも良しとしましょう。
食事を続けられる場合は合間に気の利いた一品をサービスしてご機嫌を伺います。しょぼいものを出しても仕方ないので、これをサービスしてくれるの?!という一品を提供してご機嫌を伺います。お会計時にもう一度謝ってお見送りします。
4.接客が悪い
忙しくてスタッフが少ないなか接客態度がゆき届かなかったり、新人バイト君の教育がゆき届かなかったり、店長が疲れていたりと、お店側の問題で接客が悪いとクレームをいただく事があります。
とりあえず言い訳しないで平謝りします。ぬるいビールを出されて再度提供したのに店員が謝らないなど。返事をしないなど色々あります。
店長からも謝ります。それでもお怒りの場合はあきらめます。上司呼んでこいや社長呼んでこいなどお酒を飲んでる方は自由な発言の場になります。
できない事は無理だと毅然とした態度で対応しましょう。あんまり低姿勢ですと調子に乗ってくる方がいますので、ある程度で一線をひかないとおさまらないです。土下座なんてお断りしましょう。
もちろん食べた分はきちんとお代を頂きましょう。
5.暑い、寒い、臭い
店内の物理的なクレームに関してはクレームされても仕方ないです。なぜなら店長にできることとできないことがあるからです。
エアコンが暑い寒いなら温度や向きを上げ下げしたらいいですが、臭いなどは平謝りしかありません。高架下のお店や古いビルはネズミ臭があります。お店として害虫駆除や消毒業者や清掃業者を入れて改善するしかありません。
あとみんなで掃除をするのがいちばん安上がりです。バイトに時給を支払って掃除してもらうのです。
まとめ
上記以外にもいろいろなクレームがあります。想定外のクレームにもきちんと対応していくことが大切です。
事前の対策として店舗保険に加入しておくこと。店舗責任で忘れ物を紛失したり、汚したカバンや衣類の弁償、ケガをお客さんがしてしまったりなどは保険でカバーできることがほとんどです。
会社ならば確認しておきましょう。
最後に、どんなクレームでも殺される訳でありません。きちんと対応すればお客さんも納得してくれるはずですし、納得して頂けなかったらそれはそれで仕方のないことです。
うちの店とは縁がなかったと思ってあきらめるかしかありません。
クレーム対応が良いと問題なく常連さんになっていただけることはよくあります。
またサイレントクレームと言って、その場では無言で帰られて本当はお怒りなお客様もいます。SNSで書き込むクレームも多くあります。
それらを見たら反省し、スタッフと共有して次はしないように対策しましょう。
店長はクレームがあった場合は腹を決めて対応するしかないです。
あまりにひどい場合は警察に電話して来てもらいましょう。第3者にあいだに入ってもらうことで解決が早くなることがあります。
逃げ腰や必要以上の低姿勢はかえってお客様をお怒りにしてしまいます。そうならないようにきちんと交渉することが店長の仕事と言えます。