飲食業を続ける上での心構えとは?
飲食業はブラック企業がほとんどです。
このブラックの中で生き抜くのは並大抵の精神力ではできません。その精神力の持ち方と言いますか心構えについて説明いたします。
それではまず私が感じる7個のブラックについて並べそれについての対処法を書いて行きます。
※はじめに言っておきますと7個のブラックの対応策として労働基準監督署に通報や弁護士に相談というものは含まれていません。
あくまで飲食業を続ける人のための私の経験からのアドバイスです。
最終手段として労基や弁護士という手段がありますが、それは労働者の「伝家の宝刀」です。
だいたいの飲食店はブラックなのですから伝家の宝刀を使う時は飲食業を辞めた方がいいですよね。
1)長時間勤務に対する対処法
ランチも夜も営業しているお店の社員は大変です。昼11〜14:30/ 夜18〜23の営業時間だったり、お店のよっては11〜23時までずっと開けっ放しのお店もあります。
出勤時間は9時頃、退勤時間は24時の終電というのはよくある話です。しかも年中無休のお店ならなおさらシフトを回すのは大変です。アイドルタイムは夜営業の準備や仕込みをして休憩ができないことも普通にあります。
若いうちは体力がありますが段々と身体がもたなくなってしまいます。
対処法としてはあきらめることも肝心です。調理師なら技術を早く身につけたら、夜営業だけの違う店に転職しよう。と期限を決めることもできます。管理職の店長は部下に仕事を教えて任せることをしないとほんとに長時間になります。
10〜24時の14時間勤務は長すぎます。間にアルバイトを入れて8〜10時間以内に収めるようにシフトを調整するべきです。
2)給与が低くて残業代が出ないときの対処法
手取りで20〜25万位でこき使われる社員は多いです。店長といえども社保や住民税全て引かれて25〜30万は相場です。
ここに残業代が含まれておらず、みなし残業がほとんどです。今でこそ大手の外食会社は残業代支給をする代わりに8時間勤務ピッタリにしたりしていますが、そうすると手取りが16〜18万以下になることもあります。そうするとフリーターの方が稼げるよね。となり特に志のない大卒社員は何のために飲食業を続けているのか分からないというジレンマで1〜2年で退社することがほとんどです。
給与を上げるには出世しないといけません。飲食業は年功序列や勤務年数による給与が上がるということが少ないです。あくまで実力しだいです。管理職の肩書を得るようにならないと給与アップはまず望めないと言えるでしょう。
成果主義のお店もありますが、たまたま業績の良いお店に配属されたらラッキーですが不振店なら最悪です。
対処法としては不振店を繁盛店にして出世し給与を上げることです。それには並大抵の努力と実力と運が必要です。
3)休みが少ない
定休日の無いお店の店長は大変です。飲食店は慢性的に人がいないので休みがとれなくなります。もちろん会社に相談して定休日を作ることも一理ありますが定休日を作るとお店が赤字になったり売上利益が大幅に減ります。そうすると本末転倒です。
私の提案するのは求人募集をきちんとして人を育てて、スタッフに任せて休むことがいちばんですを例え半休でも構わないので人を育てることからはじめましょう。人を育てないと店長は一生休めませんし、店長は人を育てる事が仕事だから当然といえば当然です。
4)働く人がいない
飲食業は離職が多いため常に人がいない店舗が多いです。離職の原因は色々ありますがだいたいが人間関係です。長時間で給与が低くても人間関係がうまくいっていると人はやめません。
店長の仕事はスタッフ同士が仲良く仕事ができるように緩衝材になったり、フレンドリーにコミュニケーションを取らないといけません。
辞めさせないためにも、自分の言うことを聞いてもらうためにもコミュニケーションは欠かさず行いましょう。
5)上司や先輩がきつい
今でこそパワハラという言葉ができ、先輩も後輩も上司も部下も気をつけるようになりましたが、ひと昔前はきつい上司や先輩は普通にいました。
それこそ暴言や暴力のようなことも、部下を教えるときは自分が教わったやり方で教えがちです。
きつく教えられた人は部下にもきつくなりがちです。
店長などの上司の立場の人はしっかりと気をつけましょう。私は心の中で「部下はみんなボイスレコーダーを胸ポケットに入れて録音している」と思うようにしています。
決して出て行け、辞めてしまえ、バ○、○ねなどの暴言はやめましょう。暴力はもってのほかアウトです。もしあまりにも出来の悪い部下がいた場合は気を付けてあまり関わらないようにするか、アルバイトの場合はフェードアウトしてもらう方が良いかもしれません。もちろん合法にです。
上司にきつく言われないように努力している姿を見せることや、きちんと報連相確認をすることでだいたい怒られなくなります。
それでも暴言や暴力がある場合はすぐに転職しましょう。あなたを必要にしている職場は他にもたくさんあるはずです。
6)体力的にきつい
飲食業は肉体労働ですから結局は体力のあるスタッフが生き残ります。
長時間立ち仕事で重たい寸胴やテーブルを持つので腰や肩や首がやられている人がほとんどです。
立ち仕事で店内の同じ所を行ったり来たりして動き回りますが別に運動している訳ではありません。一般の人よりも消費エネルギーは高いですが完全に運動不足になります。
体力を付けるにはジムに通うことと言いたいですが普段から休みが少なくて疲れていて眠たいのに、なんでジムでまた疲れないといけないの?と考える人は多いはずです。
わたしはとにかく歩くことにしています。今はスマホで歩数計で測れますから、お店以外で歩くことにします。最低5000〜10000歩です。たったこれだけ?と思うかもしれませんがお店以外でこれだけ毎日歩くのはけっこう大変ですよ。
通勤や帰りを自転車や電車ではなくとにかく歩くことです。大股で胸を張って歩きます。毎日続けると体力が自然につき疲れにくくなります。
7)汚い仕事もある
飲食業では洗い場の仕事は必須です。
またグラストラップの掃除もあります。
害虫駆除やネズミ退治もしなければなりません。
もちろん業者に頼むこともありますがコストがかかるので自分でやることも多いのです。
そしてなんといっても毎日掃除をすることです。ダクトという換気扇の掃除も大変です。
トイレ掃除はお店の鏡です。常にきれいにしないといけません。
洗剤で手荒れしないように手袋をしっかりしてから掃除します。
掃除をすること=飲食店の仕事と割り切りましょう。掃除をするときはただの清掃員となって無心で掃除することです。コツは洗剤をかけてしばらく経ってからこすり取ることです。マジックリンを使うとだいたいの汚れは落ちます。
掃除は毎日拭いておけば汚れないので無意識に拭き掃除ができるように心がけてスタッフにも教育しましょう。
○まとめ
飲食業はブラックなことが多いと言えます。ブラックだからと言ってすぐに労基や弁護士に頼ると何のために飲食業で修行しているのか分からなくなります。
自分が飲食業をやる理由を考えてブラックの中でも目標をもってやりきることが大切だと思います。
将来自分のお店を持つことを目標にしているのであれば雇われのうちのブラックなんて余裕で乗り越えて、さらなる上の境地に進んでほしいのです。そして自営のお店ではブラックなことはしないように作戦を立てたらいいと思います。
それでも飲食業のブラックが無理ならば転職をオススメします。